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All books considered

2026-06-01 13:54:36 알 수 없음

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**All Books Considered**(オール・ブックス・コンシダード、略称:**ABC**)は、福岡県糸島市前原の商店街にある小さなビルの2階に位置する独立系書店である。九州大学共創学部に在籍していた中田健太郎を中心とする学生たちが2022年3月5日(中田の誕生日)に開業した。新刊・古本・アートブック・ZINEを取り扱うほか、古着やリメイク衣料、雑貨なども並ぶ。
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## 店名の由来
店名はアメリカの公共ラジオ局NPRが放送する音楽番組『All Songs Considered』に由来する。頭文字「ABC」は、東京の大手書店チェーンと同じアルファベット表記であり、これはメンバーたちが意識した「カウンター」としての命名でもある。
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## 沿革
### シェア型書店での出発
中田が書店業に関わり始めたのは2021年9月、大学1年在学中のことである。居住していたシェアハウスのオーナーが運営に関与していた「糸島の顔が見える本屋さん」(1階に所在するシェア型書店)の棚を借りたことが最初の一歩だった。同書店は約100人のオーナーが各自の棚に本を並べる形式をとっており、30センチ四方の棚に7〜8冊を並べて販売する仕組みだった。
しかしこの規模では思うような選書表現ができず、売上も棚の使用料に及ばなかった。中田はまた、愛着のある蔵書を古本価格で手放すことへの抵抗も感じており、約3ヶ月で棚の運営を終了した。
その後、同じビルの2階に空き室が生まれたことを契機に、中田は自分たちの書店を開く準備を開始した。声をかけた仲間——齋藤楓季(ふーき)、黒木鳳弥(たかぴー)、伊東はな——が参加を表明し、4人でABCを立ち上げることとなった。
### 開業と初期の運営
内装工事はおよそ2週間の突貫作業で行われた。建築学科の知人の協力を得て大きな窓を設置し、廊下から店内が見通せる設計とした。本棚はDIYで制作し、壁も自分たちで塗装した。本の仕入れは取次会社を通さず、出版社と直接取引できるウェブサービス「一冊!取引所」を利用した。
2022年3月5日の開業当初、店舗面積は4畳半(約7.4㎡)。開業と同時に「大学生が学生街の外れに4畳半の本屋を開いた」として各種メディアに取り上げられ、広く注目を集めた。
本の仕入れ予算は月5〜10万円程度で、売上のみでは運営資金が賄えないため、中田は塾講師などの複数のアルバイトを掛け持ちして補填していた。
### 移転と拡張
開業から約2年後の2024年5月、同フロアに空きが生じたアートブック専門店「虚屯出版」の跡地に移転し、4畳半の3倍以上の面積を持つ現在の店舗へと拡大した。これに伴い、オリジナルメンバーの卒業・新メンバーの加入という世代交代も進んでいる。
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## 選書の方針
明文化された選書基準はなく、中田自身が「ビビッとくる本」であることが最も大きな判断軸とされる。具体的には、自分が社会に問いかけたいと思っていたことをタイトルや帯が言い当てているような本、あるいは読後にじわじわと効いてくる本や強い衝撃を持つ本が選ばれる傾向にある。話題の新刊や自己啓発書など「扱うのはうちじゃなくていい」と判断した本は置かない。
メンバーごとに得意ジャンルが異なり、相互の選書がバランスを生んでいる。中田はノンフィクション・社会科学・文化人類学・労働をテーマにした本を好み、齋藤は文芸・哲学書、黒木はファッション系のZINE、伊東は生活に根ざしたエッセイや絵本を主に担当していた。
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## 接客スタイル
最初期の4畳半という狭い空間では、来客があれば会話が自然に生まれる構造になっており、「普段どんな本を読まれているんですか?」という問いかけから始まる接客が定着した。中田はこれを古着屋のコミュニケーションに近いと表現しており、戦略的に設計したわけではなく自然に形成されたスタイルだと述べている。
現在は積極的に話しかける形式は取らず、お客の動きを観察しながら、何度も手に取っている本があれば薦める程度にとどめている。「店主とお客さんの関係は対等であるべき」という考えが接客態度の根底にある。
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## 思想的背景
### ポロポロ書店との出会い
中田が高校3年生の頃、宮崎市内の通学路を外れた路地で「ポロポロ書店」を発見したことが、書店業への関心の原点となっている。同店は先鋭的な思想・芸術の本やユーモラスなタイトルの本を揃え、店主が「意味のわからないこと」——たとえば、店内で大声を上げると割引になる「ヤッホー割」のようなキャンペーン——を平然と行う場所だった。
中田はこの店で栗原康の『はたらかないで、たらふく食べたい』(タバブックス)と出会い、「働くのが怖い」という漠然とした自分の気持ちがタイトルだけで肯定されたような衝撃を受けたと語っている。この体験が、「説明できる意味のあることよりも、意味のないことの方がむしろ難しく、価値がある」というABCの基本的な感性を形成した。
### 「人の人生を狂わせたい」
中田が書店を選んだ動機の一つとして繰り返し語るのが、「人の人生を狂わせたい」という言葉である。本1冊の購入は金銭的に小さな行為でも、「確実に何かの歯車がズレていくような体験」を引き起こし得ると中田は考えている。
開業後、小学5年生の来店者が永井玲衣の『水中の哲学者たち』(晶文社)を購入した場面が象徴的なエピソードとして語られる。その夜、中田は「あの子の人生を変えてしまったんじゃないか」とドキドキしたと述べており、この経験が書店を続ける核心的な動機を固めた。
### 文化人類学的視点
中田は九州大学共創学部で文化人類学を専攻しており、この学問的背景がABCの思想的基盤に深く影響している。「どのような文化・社会にも価値があり、優劣はない」という文化人類学の基本的な態度が、二項対立的な社会観への批判や、YES/NOではない「中間」の選択肢を尊重する姿勢として現れている。
### セレクトショップとしての書店観
中田は自身の書店をビジネス的に考えるとき、書店業界の内側より古着のセレクトショップを参照する。独自のコンセプトに基づいて複数のブランドを仕入れるセレクトショップのあり方を、選書という行為に重ね合わせており、「完全に書店業界の中に自分を置いていない」と明言している。
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## 空間のコンセプト
ABCは書籍の販売スペースにとどまらず、ZINEの制作・発表、写真などの作品展示、カセットテープDJなどのイベントの場としても機能してきた。ABCスタッフの一人が運営するブランド「エグゼクティブ愚か」の内臓のぬいぐるみ、有田焼の大皿、古着のリメイク衣料なども店内に並ぶ。
「お金を払わなくても居ていい、公共的な場所をつくりたい」という意識が書店経営の背景にあり、本を買うことと関係なく人が集まり、関わり続けられる場所を志向している。
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## SNSと情報発信
InstagramでのABCとしての本の紹介は、当初こそ概要紹介にとどまっていたが、黒木が『村上T』(村上春樹、マガジンハウス)の読後感をまとめた投稿がきっかけとなり、読書日記に近い個人的な文体へと移行した。発信には署名をつけず、「ABCとして誰かが常に思いを語っている」という形式を守っている。
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## 主な取扱書籍の傾向
哲学書、現代思想、文化人類学の専門書、カウンターカルチャー系のノンフィクション、文芸書、旅のエッセイ、写真集、絵本、ZINE。「心を揺さぶるような読後感を残す」本であることがおおよその共通点とされる。店主の選書例として言及されることが多い作品には以下のものがある。
- 栗原康『はたらかないで、たらふく食べたい』(タバブックス)
- 永井玲衣『水中の哲学者たち』(晶文社)
- ジェームズ・C・スコット『ゾミア——脱国家の世界史』(みすず書房)
- ジャン・ボードリヤール『消費社会の神話と構造』(紀伊國屋書店)
- かまど、みくのしん『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』(サンクチュアリ出版)
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## アクセス
福岡市内からJR筑肥線で約30分、前原駅から徒歩圏内の商店街内ビル2階。
福岡県糸島市前原中央3-2-14
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## 営業時間
11:00-18:00(木〜月)
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## 姉妹店
あゐた
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## 関連事項
- 糸島市
- 九州大学共創学部
- シェア型書店
- 一冊!取引所
- 独立系書店
+ group: 65fa77
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+ **All Books Considered**(オール・ブックス・コンシダード、略称:**ABC**)は、福岡県糸島市前原の商店街にある小さなビルの2階に位置する独立系書店である。